本研究では、長期材齢試料を用いて常温におけるフライアッシュ(以下FA)の反応性と特性との関係を明らかにすることを目的とする。 反応温度は20℃・40℃、反応時間は555日までとし、化学組成や鉱物組成の異なるFAを用い作製した混合セメントで、選択溶解法による反応率の算出や走査電子顕微鏡による未反応フライアッシュの観察を行い、反応性を検討した。その結果、これまではFA中のガラス相のみが反応すると考えられていたが、α-quartzも反応していることが明らかとなった。また、それを考慮して40℃の促進養生により長期材齢のFAの反応を予測する手法も提案した。