主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
ガラスのような長距離秩序のない非晶質材料は、固体NMR法により解析できるが、周期表の約半分の元素はスピンが半整数であり、四極子相互作用によりピークが広幅化する。核スピンの多量子遷移を用いるMQMAS(Multiple-Quantum Magic Angle Spinning) NMR法を用いると等方化学シフトδisoと四極子結合定数CQというNMRパラメータを分離できる。しかしながら、核スピンの多量子励起の効率がCQや励起パルス強度に依存するためスペクトル強度に定量性がなく、精密な構造解析は困難である。本研究の目的は非晶質材料における四極子核のδisoとCQを、MQMAS NMRスペクトルから定量的に求め、精密な構造解析法を考案することである。ノイズが±6%以下のとき解析可能であると分かった。