MeVオーダーのイオンビーム照射により、セラミック前駆体である混合高分子材料から金属元素を内包したセラミックナノワイヤーを合成する合成法を開発した。ポリカルボシランと酢酸パラジウムのポリマーブレンドをSi基板上に成膜し、これにイオンビームを照射すると、その飛跡に沿ってナノオーダーの架橋体が形成される。未架橋部を溶媒で除去し焼成することで、架橋部をセラミックナノワイヤーに転換できた。ナノワイヤーの直径は、イオンビームの線エネルギー付与及び高分子の分子量と架橋効率で、長さはケイ素高分子薄膜の厚さにより制御可能であった。また、混合高分子中のパラジウム原子はナノファイバー焼成後もナノファイバー中に存在し、金属元素が内包されたナノファイバーの合成が可能となった。