主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
RFマグネトロンスパッタリング装置を用いて、成膜条件、特に成膜時の圧力を変化させることにより、酸化アルミニウムの多形の制御の可能性を検討した。成膜温度750 ℃、Ar:O2=9.5:0.5、成膜時の圧力5 Pa、RFパワー180 W、成膜時間2 時間で成膜を行ったところ、成膜時間3 時間において、成膜時の圧力が1 Paではγ-Al2O3のピークが得られた。成膜時の圧力が0.5と0.3 Paではθ-Al2O3のピークが得られた。この結果より、成膜時の圧力を下げていくと1 Paと0.5 Paとの間でγ-Al2O3からθ-Al2O3へ変化していることが分かる。この原因として、成膜時の圧力が低くなると、スパッタリング粒子の平均自由行程が増加するとともに、スパッタリング粒子の持つ運動エネルギーが増加したことが考えられる。