日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: R2-P06
会議情報

R2:結晶構造・結晶化学・物性・結晶成長・応用鉱物
カルシウム角閃石系列の結晶構造中での陽イオン席占有について
*小澤 優栗林 貴弘長瀬 敏郎
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

角閃石は一般化学式A0-1B2C5T8O22(OH)2で表され、C席はさらにM1-M3席に区別され、またT席はT1-T2席に区別される。各席の酸素との平均結合距離を比較したところ、合成のpargasiteと天然のpargasiteとではM2席とM3席に占有する2価と3価の陽イオン比が異なることが報告された。本研究では組成の異なる4つの天然カルシウム角閃石を用いて結晶構造解析および化学組成分析した。T席にAlを含むpargasiteとedeniteについて、T1-O距離はT2-O距離より有意に大きく、Alは主にT1席に占有することが示唆される。またM席に価数の大きい陽イオン(Ti4+やAl3+)を含むpargasiteについて、M2-O距離はM1-OおよびM3-O距離より有意に小さく、これらの陽イオンはM2席に占有すると示唆される。

著者関連情報
© 2015 日本鉱物科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top