日本鳥類標識協会誌
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観察報告
新潟県長岡市で標識放鳥されたチャキンチョウEmberiza brunicepsの北海道における目視回収例
渡辺 央
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2019 年 31 巻 1_2 号 p. 27-35

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抄録

2015年10月12日,新潟県長岡市加津保町の放棄水田においてチャキンチョウEmberiza brunicepsの幼鳥(第一回冬羽に換羽中)1羽が標識放鳥された.標識個体は喉から下尾筒まで下面全体が一様に明るい黄色で,腰は黄色味を帯び,上尾筒はオリーブ色がかった灰褐色であった.これらの羽装とその換羽状況などを検討したところ,本標識個体はチャキンチョウの雄幼鳥であると判断された.その後2016年4月11日に北海道天売島で第三者によって写真に撮られたチャキンチョウ雄の第一回夏羽に換羽中の個体が,本標識個体と同一であることが判明した.以上の結果は,本種の日本国内における移動と共に,同一個体の幼鳥から成鳥の羽装変化を扱った初事例である.

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© 2019 日本鳥類標識協会
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