2011 年 34 巻 4 号 p. 317-322
海外在住は健康に影響を与え, 米国在住日本人においても心疾患増加やストレス上昇が報告されている. コミュニティ志向プライマリ・ケア (Community-Oriented Primary Care, 以下COPC) は, このような健康問題にプライマリ・ケア医が個人に対する医療を超え, 地域医療提供として介入する場合に有用である. 本稿では, コミュニティの定義, コミュニティとの連携, 健康問題の抽出, 介入の計画・実行とその評価というCOPCをピッツバーグ在住の日本人を対象に実践した初期の活動及びその後の活動方向性を合わせて報告する. 本報告は, 具体的研究課題, データ計測とその解釈や教訓事項を含み, 読者の診療環境でのCOPCに実践的な視座を与える.