日本プライマリ・ケア連合学会誌
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シンポジウム 2 あるべき病院総合医像を求めて
日本内科学会の立場から
大生 定義
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2010 年 33 巻 3 号 p. 296-298

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抄録

 1964年に検討が開始され, 「内科医としての広い知識と錬磨された技能を備えている優れた臨床医を社会におくり, 社会一般の人々がより高い水準の医学の恩恵を受けられるよう社会の福祉に貢献し, 併せて内科学の向上をはかること」を目的とした「内科専門医制度」は, 1973年最初の認定が行われた. 臓器別などの専門医と区別して, 2008年に「総合内科専門医」と名称変更, 各subspecialty必須条件部分でもある認定内科医の上位の認定とされている. 現在約14,000名の資格者がいる. 米国のFACP, 英国のFRCPに対応する. 上述した意味の「内科専門医」から, サブスペシャリティー (臓器) 横断的な機能を果たす専門医としての「総合内科専門医」は, 今日の国民が求める要素である, 【1】患者の身になって対応できる豊かな人間性,【2】患者の問題解決に貢献する能力,【3】世界基準に適う医学知識・技術,【4】独創的な研究能力を備える内科医を目指すべきとされ, 具体的には, 1) 高レベルな横断的能力を有した一般・総合内科の専門医・指導医, 2) 卒前教育, 研修, 生涯教育の担い手としての一般内科の専門医・指導医, 3) 臨床医学の横断的領域として内科学を総合的に捉える研究者など活動の場面に応じての役割変容をすることが重要とされている. もちろん, 病院においては総合的な判断ができるレベルの高いホスピタリストとして, 総合内科専門医も一定の役割を担って行くべきである. 総合診療医学の目指すホスピタリストとも重なる部分も多くあり, 受験資格の認定なども含め, 専門部会は互いに連携・協力していきたいと考えている.

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© 2010 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
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