アルミナセメントには長期材齢強度の変化に及ぼす大きな要因として温湿度の影響と結晶転移の問題がある。本実験研究では水セメント比を2水準とし、養生・暴露条件を4種類とした場合の材齢3日~50年のアルミナセメントコンクリートの強度変化をはじめ、諸性質について検討・考察した。その結果、圧縮強度は養生・暴露条件によって材齢7日または28日のいずれかがピークとなり、圧縮強度の低下は材齢1年辺りで止まり、その後増加傾向にあった。また、セメントペースト部の変質は、水中養生を除いた養生・暴露条件では炭酸化反応が進行し、表層部ほど結晶質水和物が分解し、非晶質水和物が増加した。この非晶質水和物の増加が長期材齢における強度増加の一因であると推察した。