1994 年 15 巻 4 号 p. 240-246
TSK(Terrace-Step-Kink)描像にもとづきvicinal surfaceを紐状ステップの多体系とみなす。単一ステップのゆらぎ幅の2乗平均W2(y)はyをステップに沿った距離ステップ密度をρとして,yが十分に大きいところで漸近的にW2(y)~A(ρ)lnyとなることが理論的に示される。また,係数A(ρ)はfree fermionモデルではA(ρ)=1/(πρ)2となり,一般的に短距離相互作用系ではρ→0でこの形(ユニバーサル形)になることが示される。これらの結果は,ラフ界面の表面張力波理論を用いて得られる。W2(y)と表面高さ高さ相関関数との間の一般的関係を通じて導出される。free fermionモデルおよびSOS(solid-on-solid)ステップモデルについてモンテカルロ計算が行われ,理論的予想が確認された。