ヨツモンマメゾウムシの成虫に見られる飛ぶ型と飛ばない型との二型は幼虫期の生息密度や温度などできめられるが,幼虫期における光周期もこれに影響を与えることがわかった。幼虫期の飼育条件が全明と全暗でもっとも高い頻度で飛ぶ型が出現するが,これに近い日長条件ではこれに次いだ。日長が16時間から6時間までぐらいの範囲では飛ぶ型の出現は非常に少なくなった。約1年間8時間日長の下で飼いつづけた系統では,この範囲はややせばめられたように思われる。このような光周反応は幼虫密度の低い時よりも高い時により明瞭に認めることができた。ここに得られた結果は従来知られている光周反応の諸型とやや異なっていることと,この反応がヨツモンマメゾウムシの貯蔵穀物害虫としての特化に果たしている役割が大きいであろうことを考察した。