旨ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸 (A)・ポリアトロバ酸 (B)・ポリチグリン酸 (C)・ポリメサコソ酸 (D)・ポリシトラコン酸 (D′) およびポリグルタコン酸 (E) をラジカル重合により製造し, 電圧滴定曲線を検討した。(A)・(B) および (C) はポリメタクリル酸よりも明らかに強酸であり, 低中和度領域においてpH値の急上昇を示さなかった。(D)・(D′) および (E) はポリ無水マレイン酸の加水分解物およびポリイタコン酸よりもかなり強酸であり, ジカルボン酸のポリマーであるのに, 滴定曲線の中和点付近において明らかな変曲を示した。これらの結果を, 同一ポリマー分子中のカルボキシル基の固有電離性と隣接カルボキシル基間の空間距離の観点から考察した。さらに, α, β-置換モノマーのポリマーである (C) は, α-α構造をかなり含むことを認めた。