1980 年 37 巻 12 号 p. 809-814
アセトキシメチルビニルケトン (AMVK) は1, 4-ジヒドロキシ-2-ブチンのレッペ反応を経て合成した. AMVKはラジカル重合が可能であり, 単独重合, および, メチルメタケリラ-ト (MMA) またはスチレン (St) との共重合を行った. モノマ-反応性比は, MMA (M1) -AMVK (M2) でγ1=0.95, γ2=0.77, そして, St (M1) -AMVK (M2) でγ1=0.10, γ2=0.36が得られた. AMVK-Stのモノマー反応性比から, Q=2.3, e=1.0が得られた. AMVKとMMAはランダム的に共重合し, AMVKとStは交互的に共重合する. ポリ (アセトキシメチルピニルケトン) (PAMVK) はポリ (メチルビニルケトン) (PMVK) (軟化温度, 40~60℃) と似て, 少し弾性があり, ガラス転移温度 (Tg) が36~41℃であった. ポリマーの光分解性は溶液中, 285nmと312nmで測定した. ポリマー主鎖の切断はgel-permeation chromatographyで求め, その量子収率は, PAMVKで (2.4~2.7) ×10-2, ポリ (アセトキシメチルビニルケトンーメチルメタクリラート) [P (AMVK-MMA)] で (1.6~3.3) ×10-2, ポリ (アセトキシメチルビニルケトンースチレン) [P (AMVK-St)] で (3.4~5.7) ×10-2であり, PMVK (φcs=2×10-2) とほぼ同じくらいの光分解性であった.