高分子論文集
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多分岐構造をもつ芳香族ポリアミドの合成と特性
寺境 光俊
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2002 年 59 巻 8 号 p. 474-483

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抄録

芳香族系ハイパーブランチポリアミドの合成を行い, 重合体特性, モノマー構造と分岐度の関係, 分岐構造導入と分岐密度の物性への影響について検討した. 繰返し単位に分岐骨格を導入することで高い耐熱性を保ちつつ, 溶解性を付与したハイパーブランチポリアミドを合成した, 高い溶解性, 低い粘性, 末端官能基の化学修飾による重合体特性の変化などが観察された. デンドロンを出発物質とする1段階重合から分岐度の高いハイパーブランチポリマーを合成した. また, AB型モノマーとの共重合を行うことで分岐密度の低い重合体を合成した. 共重合体物性は組成に応じて連続的に変化した. 少量の分岐点導入により大きく物性値が変化する点が興味深い. また, AB2型モノマーの加熱溶融重縮合が可能であることを新たに見いだした. ハイパーブランチポリマーの結晶化のしにくさ, 溶融粘度の低さが重合進行に適した安定な溶融状態形成に寄与していると考えられる.

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