高分子論文集
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ポリシルセスキオキサンの合成とその性質
ビニルトリメトキシシランからのポリマ-ハイブリッドの合成とその性質
高村 徳宏小此木 浩史郡司 天博阿部 芳首
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2000 年 57 巻 4 号 p. 198-207

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抄録

過酸化ジ-t-ブチルを開始剤とするビニルトリメトキシシランのラジカル付加重合により合成した有機鎖重合度46~74のポリビニルトリメトキシシランを加水分解重縮合することにより重量平均分子量50000~170000およびシロキサン縮合度7~13%のポリビニルポリシルセスキオキサンを合成した. さらに, これらを前駆体として無色透明なはく離膜およびディップコーティング膜を調製した. また, 3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランからも同様にしてポリマーハイブリッドのコーティング膜を調製した. はく離膜の引張強度および伸び率やコーティング膜の鉛筆硬度および付着力は, 前駆体のポリマーの構造に依存して変化し, 分子量やシロキサン縮合度の増加に伴い引張強度および鉛筆硬度は増加し, 伸び率や付着力は減少した. 一方, 有機鎖重合度の増加に伴い引張強度や鉛筆硬度は減少したが, 伸び率や付着力は増加した.

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