日本薬理学会年会要旨集
Online ISSN : 2435-4953
第96回日本薬理学会年会
セッションID: 96_4-B-SL08
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特別講演
魔法の弾丸を求めて
*萩原 正敏
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抄録

我が国でもアカデミア創薬への期待は高まっているが、大手製薬企業などが行っているのと同様の手法で化合物スクリーニングを行っても、研究チームの規模が小さく開発資金に乏しいアカデミアが、画期的新薬を見つけ開発することは困難である。それゆえ我々は、異常RNAスプライシングなど、標的とする疾患の病態を反映する細胞評価系を独自に構築し、従来型のin vitroスクリーニングより遥かに効率良く有望な化合物を見出してきた。また探索途上で見つかった興味深い表現型を示す化合物を手掛かりとして、これまで未知であった疾患の病態や分子機構を解明する新しい研究手法も確立した。RNAバイオロジーとケミカルバイオロジーの解析手法を駆使して、表現型アッセイで見出されたヒット化合物の分子標的を特定し、迅速かつ廉価に臨床試験を実施する新しい創薬手法によって、遺伝病、ウイルス感染症、悪性腫瘍、疼痛など幅広い領域において、画期的な”魔法の弾丸”が生み出されようとしている。

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© 2022 本論文著者
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