1979 年 5 巻 6 号 p. 609-615
新しい触媒調製法によってニッケル金属がアルミニウム金属管内壁に一様に析出され, 高活性ニッケル触媒管壁反応器が作成された.この触媒による一酸化炭素からのメタン合成反応速度が測定され, その速度が次式によってよく整理されることが明らかとなり,
v=kpco1/2pH2/1+Kpco
また, この速度式に基づいて, 触媒反応機構が提起された. この反応器によるメタン合成プロセスが流体の拡散機構に基づいて解析され, 半径方向の濃度分布, 一酸化炭素の反応率が計算された.その結果, 管壁反応器は反応熱のすみやかな除去のためばかりでなく, 拡散抵抗によって生ずる反応物質濃度低下の触媒反応速度に及ぼす加速効果によってもメタン合成プロセスに適した装置と言えることが示された.