不織布フィルターのろ過特性や細孔径分布との関係を調べるため, 繊維径, 目付量, 空隙率の異なった多数のステンレス製不織布フィルターを用い, 流体透過法による平均細孔径の測定, バブルポイント法による最大細孔径, 顕微鏡観察による繊維間距離分布の測定, ラテックス粒子チャレンジ試験による最大通過粒子径の測定を行い, それらの関係を求めた. 流体透過法により求めた平均細孔径は繊維径に比例し, 空隙率の増加につれて増加したが, 同一空隙率では目付量に依存しなかった. バブルポイント試験により求めた最大細孔径は, 空隙率の増加につれて増加し, また, 目付量に依存した. すなわち, 同一空隙率では目付量が大きくなるにつれて最大細孔径は減少した. フィルター断面の観察から求めた繊維間距離の分布はΓ分布に従い, Γ分布から求めた平均繊維間距離と空隙率の関係は平均細孔径と空隙率の関係にほぼ一致した. 粒子チャレンジ試験による最大通過粒子径(すなわちフィルターにより99%阻止される粒子の粒子径)は空隙率の増加につれて増加したが, 目付量の増加につれて漸減した.