1995 年 21 巻 4 号 p. 641-647
炎溶射による球状粉末の製造法は, 燃焼火炎中に固体粒子をさらしそれらの粒子を溶融して球状化する方法である.セラミックスや一部の金属の球状粉末を製造するのに利用されている.この炎溶射法技術の開発において固体粒子の溶融球状化現象を定量的に解析することが非常に重要である.この溶融現象を解析する上での前段として, この装置内でのガスの速度分布と温度分布を定量化しておくことが重要である.しかしながら, このような目的で炎ガスを解析した例はない. 本研究では, 一般に多く用いられる二重管式ノズルからの同軸噴流の燃料ガスの燃焼炎に対する燃焼モデルを立て, ガス流速と温度分布を計算した.この計算結果と観察される炎の形状は概ね一致する. これにより粒子への伝熱計算が可能となることがわかった.