1993 年 19 巻 3 号 p. 381-388
粒状活性炭および繊維状活性炭を用いて, 水溶液中のトリハロメタン類の吸着除去について検討した.その結果, 粒状活性炭-トリハロメタン類系, 繊維状活性炭-トリハロメタン類系ともに, それらの吸着平衡関係は, Henry型に近いFreundlich型であったので, 粒状活性炭充填層によるクロロホルムの吸着破過曲線にRosenの近似解析解を適用することにより総括物質移動容量係数が得られ, 表面拡散係数Dsは2.1~6.6×10-12m2・s-1であった.また, 繊維状活性炭充填層による吸着破過曲線にBabcockの近似解析解を適用することにより総括物質移動容量係数が求められ, ペクレ数Peはほぼ4.8×10-3であった.
水溶液中におけるトリハロメタン類の活性炭との吸着平衡関係から得られる平衡パラメータ (k・nおよびβ) は, 沸点TBと相関があり, その相関関係を示す直線の傾きは活性炭の種類によらずほぼ同じであった.なお, 切片の違いは吸着質と活性炭表面の相互作用の大きさの違いによるものと考えられる.