1991 年 17 巻 4 号 p. 716-724
脱脂容器内に活性炭を入れた状態で超臨界二酸化炭素によるアルミナ成形体の脱脂実験を行った.この結果, 抽出されたバインダーが活性炭に吸着することによって超臨界流体相中のバインダー濃度が常に低い値に保たれるために, 超臨界流体を流通させなくても高い脱脂速度が得られることがわかった.また, 成形体試料と活性炭を適切な位置に配置することにより脱脂容器内の超臨界流体に自然対流が生じ, これが超臨界流体中のバインダー濃度の低減を促進することがわかった.さらに, 脱脂率の実験結果をFickの拡散方程式で相関することによって成形体中の低分子バインダーの有効拡散係数を算出した.