1991 年 17 巻 1 号 p. 1-8
偏析を伴う矩形の連続式流動層について, スタートアップ時における層の高さ方向の密度分布が時間とともに変化する様子を理論および実験により検討した.物質収支に基づくシミュレーションのためのモデルにおいて層内に投入された試料は平均滞留時間に比較し, 無視しうる時間内に層の上下方向の偏析を完了し, 軽質粒子は層上部排出部から薄層状で, 重質粒子は層下部排出部から実験的に決定される分配関数にしたがって排出されると仮定している.実験は, 未燃炭の含有のため連続的な密度分布をしめす石炭灰を用いて行った.層内の密度分布は供給速度に対する下部からの粒子の排出速度の割合により変化した.定常状態は平均滞留時間のおよそ5倍の時間の後に達成された.シミュレーションと実験結果とはよい傾向の一致を示した.