工業化学雑誌
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塩化マグネシウム-塩化カリウム溶融塩における塩素発生反応
小村 照寿今永 広人渡辺 信淳
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1971 年 74 巻 5 号 p. 867-871

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抄録

塩化マグネシウム-塩化カリウム溶融塩における黒鉛陽極での塩素発生反応の機構を定電位充電法,定常状態法および開路電圧減衰法によって研究した。
吸着塩素原子による電極の被覆率の変化に必要な電気量および電位による被覆率の変化に相当した吸着擬似容量は塩化物イオンの速い放電の仮定に基づいて解釈された。初期分極電流密度があまり大きくない時,開路電圧減衰曲線の電位と時間の対数との間に直線関係が得られ,この直線の勾配から塩素発生反応における律速段階は塩化物イオン-塩素原子脱離過程そあろうと推定された。初期分極電流密度がかなり大きい時には,おそらく電極に附着した塩素気泡による陽極の復極現象のために変曲した減衰曲線が得られた。定常的電流密慶過電圧曲線も減衰曲線からの結論を支持するものであった。

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