工業化学雑誌
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アルキルベンゼンスルホン酸添加によるリン酸液製造の反応条件
梶 敬治
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1961 年 64 巻 3 号 p. 506-510

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抄録

多数の反応槽を連結し,その第1反応槽にリン鉱,混酸(H3PO4,H2SO4)および少量のアルキルベンゼンスルホン酸を一定速度で投入して30%P2O5のリン酸液を連続式に製造する場合にロ過が容易で,粗大均一なセッコウ結晶を生成する反応条件を調べた。そして第1反応槽のスラリー滞留時間は1時間前後が適当であり,反応温度は65~72℃の範囲,アルキルベンゼンスルホン酸添加量はリン鉱石100重量に対して0.10~0.15重量が適当であった。なおこのような反応条件は前の報告で示した混酸中の半水セッコウ準安定領域の条件とよく一致することを認めた。また,その他に第1反応糟におけるスラリーの比重,リン鉱の分解速度,循環リン酸とともに循環されるアルキルベンゼンスルホン酸の量,スラリーの粘度を測定した結果および反応槽のかきまぜ方法を検討した結果も報告する。

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