日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
熱処理シリカゲル粉末の150~250℃におけるメタノール処理にともなう溶解とその表面変化
浅野 利之介北原 重登
著者情報
ジャーナル フリー

1970 年 91 巻 2 号 p. 109-117

詳細
抄録

温度範囲160~900℃で熱前処理した3種のシリカゲル粉末をメタノール中に浸潰し,オートクレープを用いてISO,200および250℃で0~92時間加熱した。このメタノール処理で溶解したシリカの量をケイモリプデン酸法で測定し,またこの処理によるシリカゲル表面の変化をメチルレッド吸着,含有炭素の定量,赤外吸収および示差熱分析の諸法によって追跡した。
処理後シリカゲルの表面にメトキシル基が形成され,表面の水酸基は900℃で熱前処理したもののほかは,いずれもいちじるしく減少した。 500℃で熱前処理したシリカゲルが溶解量,エステル化度ともに最高を示した。メタノール処理のごく初期の段階ではエステル化は急速に進み,溶解は徐々に進行した。その段階をすぎるとエステル化も溶解とともに徐々に進み,溶解量が飽和に達したとき,エステル化も飽和に達した。500℃で熱前処理したシリカゲルに対して,メタノール処理温度200℃ において,エステル化度として表面積1mμ2あたりメトキシル基数5.0の値が計算された。 示差熱分析曲線の発熱ピークについて考察した。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top