グァイアズレンとρ-ジメチルアミノシンナムアルデヒドからBF4-,ClO4-, Br-およびI-を対イオンとするアズレニウム塩化合物を合成し, 電荷発生層に用いた機能分離型有機感光体を作製した。
分光感度特性を測定した結果, いずれの化合物も広い波長にわたり幅広な感度を有している。またX線回折測定の結果, 結晶形における違いはあるが, いずれも結晶性の高い化合物であった。幅広な分光感度は分子がよく積み重なった結晶であるため, 分子問でのπ電子系の相互作用により幅広な吸収特性をもったことに起因すると考えられる。
一方, 対イオン種の違いにより感度は異なり, ヨウ素を対イオンとするアズレニウム塩化合物がもっとも高い感度を示し, 850nmの近赤外において半減衰露光量(E1/2)0.25μJ/cm2であった。
さらに, ヨウ素塩化合物を電子写真感光体として用いたときの色再現性および半導体レーザー感度特性について検討したところ, カラー複写機およびレーザープリンターへ適用できることが明らかとなった。
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