機械工業図書館は機械産業を主題とする専門図書館である。その限定された分野での情報サービスの向上のために長年にわたり,「KSKライブラリーシリーズ」として多くの独自のツールを刊行してきた。その中の1冊に2006年1月に刊行された「企業名変遷要覧」へとつながった「機械メーカーの社名変遷」があった。本稿では社名変遷データ作成の発案から実際の作成への過程とそこで直面した問題を紹介する。そしてこのデータ作成において,最も深いかかわりを持つ有価証券報告書の開示システム「EDINET」の利用を通して実感したインターネットによる情報提供の課題について述べる。