九州神経精神医学
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研究と報告
産後うつをきっかけに受診しCADASILが疑われた1例
三高 裕島袋 盛洋松隈 憲吾髙木 俊輔外間 宏人三原 一雄近藤 毅
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2017 年 63 巻 2 号 p. 83-87

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抄録

 CADASIL(cerebral autosomal dominant arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy)とは皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性遺伝性脳動脈症であり,随伴症状として,抑うつなどの精神症状を来たすことも多い。そのため,精神科受診当初はうつ病や双極性障害などの疾患と誤って診断される可能性も高いため,片頭痛や脳卒中の家族歴など,精神症状以外にCADASILを疑わせる症状や病歴があれば,速やかに頭部MRIを撮影すべきである。その結果,多発性脳梗塞や白質脳症を認めれば,CADASILを積極的に疑い,Notch3変異に関する遺伝子解析や,皮膚/筋生検を行って確定診断に繋げることが望ましい。

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© 2017 九州精神神経学会
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