Progress of Digestive Endoscopy
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新しい手技 処置具・機器
黒塗フードによる光線力学療法後食道狭窄予防の工夫
清川 博史安田 宏佐藤 義典松尾 康正前畑 忠輝伊東 文生
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キーワード: 食道PDT, フード
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2021 年 99 巻 1 号 p. 57-61

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抄録

光線力学療法(PDT:photodynamic therapy)は化学放射線療法または放射線療法後の局所遺残再発食道癌に対する救済治療として有用であるが,PDT後の狭窄は線維化が高度で頻回の拡張術を要する.PDTでは選択的なレーザ光照射を行うため先端フードを用いるが,一般的な透明フードではレーザ光がフードを透過することで必要以上の範囲に潰瘍を形成し狭窄を生じる場合がある.遮光可能な既販の黒フードは透明フードと比較して柔らかくレーザ光照射時に内視鏡を固定し難い.今回,我々は黒色油性マジックを塗布したディスポーザブル先端アタッチメント(以下,黒塗フード)を用いたPDT後狭窄予防の工夫を考案した.当院における7例の黒塗フードを用いた食道PDTでは,局所完全奏功率は85.7%で,食道狭窄は認められなかった.黒塗フードはレーザ光の乱反射を防ぎつつ,より確実で限局的なレーザ光照射に有用であったため,手技の実際について紹介する.

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© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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