理科教育学研究
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資料論文
地球規模で考える星座早見の窓と星座の歪みの理解度検討
西村 一洋
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2022 年 62 巻 3 号 p. 681-693

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抄録

星座早見の使い方は,第4学年で初めて学習をする。先行研究より,星座早見の星図盤に描かれた星図と実際の星空での星座の見え方の対応を児童に対してさらに理解させるには,星座早見の基本的な使い方の一般的な技能の指導に終わらず,次の2点を児童に理解させることが重要であると認識した。①星座早見の窓(地平線)の形が場所(緯度)によって変化すること②星座早見に描かれた星座の形が,天の北極(星図盤の中心)から離れるほど歪むこと。そこでこの2点を児童に理解させるために授業実践を試みた。本研究の目的を「小学校第4学年で,『星座早見の窓』と『星座の歪み』について,児童の理解度がどのくらいあるのかを検討する。」とした。事前調査・授業での発言と行動の記録・事後調査の3つの資料を吟味し,授業実践での検証を行った結果,第4学年では,以下のことが明らかになった。①「星座早見の窓」についての理解度は,「観察する場所によって,星座早見の窓が変化をすることがわかる。」②「星座の歪み」についての理解度は,「星座早見の南の低いところにある星座は,実際の星空の形より横長になっていることがわかる。」

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© 2022 日本理科教育学会
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