日本接着学会誌
Online ISSN : 2187-4816
Print ISSN : 0916-4812
ISSN-L : 0916-4812
研究論文
PVC/PVAブレンドのモルフォロジーと力学特性
中村 吉伸竹内 一眞釜口 章弘鍋田 宗明飯田 健郎
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 43 巻 2 号 p. 43-49

詳細
抄録

ポリ塩化ビニル/ポリビニルアルコールの溶融ブレンドについて,成分の予備混合法と分散性の関係を検討した。ケン化度98mol%のポリビニルアルコールの場合,両成分の粉末を混合してから溶融混練する通常の添加方法(粉末添加法)では,ポリビニルアルコールは最大,数100μmのドメインとして分散してした。これに対してポリビニルアルコールの水溶液を作製し,これにポリ塩化ビニルの粉末を混合してから乾燥し,粉砕後溶融ブレンドする添加方法(水溶液添加法)では,ドメインサイズはサブμmから数μmで.著しく微細化していた。ケン化度88mol%およびそれ以下のポリビニルアルコールの場合,粉末添加法,水溶液添加法ともにドメインサイズは数μmから数10μmで,予備混合法の影響はなかった。第3成分としてポリメタクリル酸メチルを加えると,粉末添加法,水溶液添加法ともにドメインサイズは数μmに微細化した。これらブレンドの動的粘弾性測定から,分散状態と成分間の相互作用について考察した。

著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本接着学会
前の記事
feedback
Top