環境感染
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訪問看護師の修得状況調査結果からみた「手洗い・うがい」研修会学習内容・方法の検討
前田 修子滝内 隆子小松 妙子
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キーワード: 訪問看護師, 手洗い, うがい
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2007 年 22 巻 2 号 p. 137-143

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抄録

我々は, “訪問看護師を対象とした感染管理教育プログラム (以下, 本プログラム)” を開発し, その学習項目のひとつ「手洗い・うがい」について研修会を実施することにした. 実施に先立ち, 研修会の学習内容・方法の検討を目的に, 参加者に予め設定した学習目標・内容に対する修得度 (17項目) と訪問看護の実践を通して, 困ったこと・疑問なこと・知りたいこと等 (自由回答式質問) を調査した. その結果,(1) 全項目の修得度は5点満点中3.5点, 手洗い3.6点, うがい3.3点であり十分な修得状況とは言い難く, 本プログラムで「手洗い・うがい」は妥当と考えられた.(2) 自由回答式質問の結果, [困っていること] として, 主に訪問先で手洗い・うがいがしにくい状況や, [知りたいこと・身につけたいこと] として, うがいの方法に関する内容がみられた. これらは予め設定した学習内容と重複していたが, 研修会では洗面所を借りられない場合の対処方法を学習内容に追加する必要があると考えられた. (3) 手洗い・うがいの目的や適応基準といった基本的事項の修得度は高かったが, 石けん等必要物品の準備・持参に関する項目は低かった. 研修会では, 修得度の高い項目は存の知識・技術を再認識できるように要点や留意点の説明を中心とし, 修得度が低い項目は具体的に理解しやすいように, 演習 (実技・必要物品の見学) が必要と考えられた.

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© 日本環境感染学会
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