環境感染
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病院清掃員の日常業務に関するアンケート調査
針刺事故および清掃業務における看護婦との連携について
内田 美保人見 重美木村 哲
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キーワード: 清掃員, 針刺事故, 病院環境
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1998 年 13 巻 2 号 p. 103-107

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抄録

東京大学医学部附属病院の清掃員を対象にして, 清掃員の針刺事故の実態を調査した.同時に彼らの清掃業務の現状を調べて看護婦と清掃員がどう関係すべきかを考察した.調査できた39名中6名 (41.0%) が今までに針刺し経験があると回答した.事故を起こした場合すぐに消毒すると回答したのは15名 (38.5%) のみで, 残りの人は判断を看護婦に仰ぐのみであったり, 対応は後でするなど不適切と考える対処を行っていた.以上より, 清掃員の針刺事故をより詳しく調査して有効な対策を立てるとともに, 清掃員に対し院内感染の危険性の教育および事故後の対処法の指導をより充実させる必要があると考えた.また, 清掃方法がわからないとき誰にたずねるかという質問では, 清掃員の班長から指示を受けると回答した人が5名 (12.8%) であったのに対し, 27名 (69.2%) が看護婦 (婦長・主任を含む) と回答した.清掃するとき困ることは何かという質問には18名が回答し, 清掃時に医師や看護婦が協力してくれない (7名), 部屋が整理されていない (4名) という回答が多かった.これらのことから, 現場の看護婦と清掃員には密接な関係があり, 患者の治療という目的のために互いに協力しあうことが重要と考えた.

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