1996 年 11 巻 2 号 p. 128-133
効果的なMRSA院内感染対策を実施するために, 全入院患者および病棟勤務職員を対象に鼻前庭のMRSAサーベイランス培養を定期的に実施して感染対策の効果を判定した. 職員のMRSA陽性率と交差感染発生率の相関は低かった. また, 患者のMRSA交差感染発生率は, 患者のMRSA陽性率が高い病棟よりも重症患者の多い病棟において高いことが判明した. これらの結果に基づいて, 病棟の特徴に応じて院内感染対策を変更し, MRSA交差感染発生率を減少させることができた.