2020 年 1 巻 J1 号 p. 392-397
腐食防止の観点から,構造物の排水は非常に重要な役割を担っている.本研究では,橋梁の排水管を念頭にした漏水箇所の検出を赤外線カメラを用いて行うことを目的としている.橋梁で使用されている排水管は塩化ビニル管が主流であるが,特に経年劣化がすすむと断面急曲部 (エルボー部)や継手接着部の漏水があると言われている.実験では急曲部に意図的に入れたき裂を有した試験体を作成し,水を管に流し,赤外線カメラを用いて急曲部を撮影した.これを晴れた日や雨の日,気温の高い日,低い日含めて1年間継続してデータを取得した.これらのデータを教師データとして漏水の有無をアンサンブル学習法の一つであるランダムフォレスト法を適用して機械学習させた.高い精度で漏水の有無を判断することに成功した.