2022 年 28 巻 p. 409-414
甚大な洪水災害が全国で頻発しており,地域社会による水防活動の重要性が増している.地域の水防団・自治体へのヒアリング調査を行い,従来の電話やメール,無線機器,SNSによる連絡体制では迅速な情報共有や多数の情報を適切に整理することにおいて課題を抱えており,状況が切迫する中でも活用できる情報集約・共有ツールの必要性について意見が出された.水防活動で使用するツールとして必要とされる機能についてヒアリング調査をもとに整理し,ウェブにアクセスできるパソコンやスマートフォン,タブレットで使用できる情報集約・共有ツールを作成し,3市で試験運用を行った.試験運用では水防訓練における活用のほか,緊急時における情報俯瞰ツールとしての活用がなされた.