日本森林学会大会発表データベース
第132回日本森林学会大会
セッションID: B12
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学術講演集原稿
屋久島国立公園における山岳部利用のあり方に関する検討結果と今後の課題
*土屋 俊幸柴崎 茂光吉田 正人
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抄録

屋久島山岳部は、1964年霧島屋久国立公園指定、1993年世界自然遺産登録を初めとして、国内外の様々な保護地域に指定・登録されてきた。屋久島への年間入込数は、1980年代半ばまで10万人前後で推移していたが、世界遺産登録によるブームから2007年度には40万人を突破し、登山を中心とした観光レクリエーション利用が急速に増大、特に利用が集中した縄文杉ルートを中心に、過剰な利用による混雑、し尿処理、自然環境に与える影響等が大きな問題となった。入込数は2010年代後半にはほぼ半減して20万人台後半で推移してきたが、コロナ禍でこの1年は大きく減少している。環境省は2016年度より「屋久島世界自然遺産・国立公園における山岳部利用のあり方検討会」を組織し、山岳部の利用のあり方について、広範な関係者による継続的な検討を行ってきた。検討会は最終年度を迎えたが、現在までに、ROSの考え方に基づく「あるべき利用体験ランク」ごとの管理目標・方針、利用ルートごとのランク、登山道の区間ごとのランク等を検討・確定してきた。発表では、これまでの成果の概要を報告すると共に、検討過程で析出された問題点、残された課題等について、実践者の立場から報告する。

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