昭和歯学会雑誌
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ディジタルパノラマX線撮影 (Digipan®) におけるプリントアウト像の画質の評価
荒木 和之関 健次松田 幸子花澤 智美岡野 友宏
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2000 年 20 巻 1 号 p. 30-34

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抄録

歯科用ディジタルパノラマ装置を用いる場合原則としてCRT画像で診断するがそれをプリントアウトして参照画像として利用することが考えられる.一般に用いられているプリンターによる画像が参照画像として適しているかどうかを明らかにする目的で検討を行った.ディジタルパノラマ装置としてはDigipan®を, プリンターにはEPSON社製プリンターPM-770Cを用いた.実験は本研究に承諾が得られたボランティア17名のディジタルパノラマ画像を撮影し, CRT画像とそのプリントアウト画像について3名の歯科放射線学会認定医が評価した.評価した項目は1) 下顎骨骨体部の輪郭, 2) 下顎管の走行と下顎骨の骨梁構造, 3) 下顎歯の歯・歯根尖周囲・歯周組織, 4) 上顎歯の歯・歯根尖周囲・歯周組織, 5) 上顎洞の骨壁の輪郭, の5項目とし, 各項目が明瞭に描出されているかどうかで5段階の評点をつけた.その結果CRT画像の各項目の評点は, 1.26, 1.88, 1.45, 1.62, 1.45と全て1点台であった.一方プリントアウト画像の評点は1.18, 1.84, 1.75, 2.20, 1.96と上顎の歯およびその周囲についてのみやや悪い点であったが他の4項目については1点台であった.これよりプリントアウト画像は参照画像として十分使用できると考えられた.

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