アラキン酸カドミウムを中心として,真空蒸着法とLB法を用いて超薄膜の作製を行い,それぞれの膜の結晶性および膜中の分子配向について,透過型電子顕微鏡(高分解能観察法および暗視野観察法)と走査型電子顕微鏡によって評価した.その結果,蒸着膜においては,基板表面に平行または垂直な高分子配向を有する結晶性薄膜が得られており,分子間隔に対応した格子縞の直接結像に成功した.一方, LB膜においては,数百nmの微結晶の集合体であること,また機能性色素外子との混合膜では,数μmの大きさを有する色素分子の結晶が析出していることが観察された.