ミルクサイエンス
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原報
全脂濃縮乳のレオロジー特性について
川越 幸紀林 弘通
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1999 年 48 巻 1 号 p. 15-20

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抄録

 全脂乳はその固形率と温度によってレオロジー特性が非常に影響をうける。そこで全脂乳の固形率を12%から50%まで, 11段階, 温度を10℃より40℃まで7段階に分けて実験を行い, そのレオロジー特性を解析した。
 粘度は, Haake Rotovisco RV20回転粘度計を用いて測定した。
 その結果を要約すると次の通りである。
1) 固形率12%より30%まではニュートン粘性を示す。
2) 固形率35%以上になるとその流動曲線は緩やかなカーブを描き, チキソトローピ性を示した。
3) 固形率35%以上で流動性指数nは1より小となり指数関数 (Power Law) として示された。またずり速度の増加により粘度は減少した。
4) そのヒステリシスループは固形率の増加と温度の減少に従い増大した。
5) 貯蔵温度の増加に伴い粘度は指数関数的に減少した。
6) 粘度と温度との関係からAndrade式が適用され, その活性化エネルギーは4.4 kcal/molより8.2kcal/molであった。

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© 1999 日本酪農科学会
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