1997 年 51 巻 6 号 p. 363-368
晶析装置内の結晶懸濁密度を測定するために, 高さ位置の異なる2つの圧力検出器の間の差圧を検出する方法を検討した. 圧力検出器間距離4,000mmの円筒型装置に粒径範囲0.33~0.74mmの結晶を懸濁させた場合, 実測値と計算値は良好な相関関係にあった. また, 圧力検出器取付け部に高温の水, あるいはかん水を供給することによって, スケーリングトラブルを防止できることがわかった. これらの知見を基に, 有効加熱面積400m2の工業装置に導入し, 実用化の検討を行ったところ, 循環系での密度測定法に比べ晶析装置内の平均的な結晶懸濁密度が検出できることが明らかとなった.
最後に本実験の実施にあたり,多大なご協力をいただきました塚本孝臣, 山田文彦両氏をはじめ, ダイヤソルト (株) 崎戸事業所の皆様に, 厚く御礼申し上げます.