日本海水学会誌
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新日本化学育晶缶における操作線図の利用
江原 亮岡橋 雅生中川 正勝大坪 篤示
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1990 年 44 巻 1 号 p. 14-17

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抄録

弊社育晶缶における塩化ナトリウムの結晶成長速度および核発生速度を, 結晶粒径, 粒度分布, 単位容積当りの生産量, 装置内結晶懸濁密度より求めた.求めるにさいして操作線図を使用した.
今回, 装置内の平均結晶懸濁密度の測定においてサンプリングできる箇所は1カ所しかなく, しかもノズルが器壁に直付けなので器壁の影響もあり, 信頼しうる平均結晶懸濁密度を実測することは困難だった.そこで平均結晶懸濁密度として常識的に考えている0.3を採用し, 前述した方法で結晶成長速度および核発生速度を求めた.
今後の平均結晶懸濁密度の求めかたとして, 空塔速度と結晶粒径などから推定できれば実測値より良好な値が得られると思う.
結果として当社の値は粒子特性数と単位容積当りの生産速度の関係, 結晶成長速度と核発生速度の関係ともに文献1) の値を結んだ線上にあり, 当社育晶缶の塩化ナトリウムの晶析は文献1) における塩化ナトリウムの晶析とほぼ等しいと思われる.

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