耳鼻咽喉科展望
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鼓膜体温計の基礎的研究-四種類の鼓膜体温計の精度-
西澤 伸志
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キーワード: 鼓膜体温計, 精度
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1998 年 41 巻 6 号 p. 615-621

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抄録

日本国内で市販された四種類の鼓膜体温計の精度を確かめるため, 37℃と40℃の赤外線基準値を一度に10回ずつ, 1年以上にわたり, 延べ1,000回以上測定し, 比較検討した。37℃の基準値測定では, JISの基準値37±0.1℃に入る割合は, 54, 52, 28, 0%となり, 鼓膜体温計の機種により差を認めた。標準偏差は, 0.14-0.39℃となり, 再現性に開きがあった。40℃の測定では, JISの基準値40±0.2℃に入る割合は, 61, 50, 49, 0%となり, 同様に機種の差を認めた。標準偏差の開きは0.21-0.37℃であった。最高表示温と最低表示温を呈する測定値が10回連続測定の際, いつ得られるか調べると, 三機種では初回の測定に最低温度表示を示し, 最高温度表示は4回目以降であった!10回連続測定の際, 最高温度表示と最低温度表示の温度差が三機種では0.6℃の範囲にあったが, 標準偏差が最も大きい機種は1℃以上であった.

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