耳鼻咽喉科展望
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鼻副鼻腔手術後の鎮痛効果を期待して試作したガーゼタンポン (第2報)
タンポン素材に塗布する鎮痛剤含量および軟膏基剤の検討
菊池 康隆富谷 義徳矢部 武本多 芳男太田 正治蒲谷 武郎内田 豊並木 徳之
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1996 年 39 巻 1 号 p. 77-82

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抄録

先に我々は, 鼻副鼻腔手術の術後, 局所に挿入するタンポンを改良し鎮痛効果を付加した硫酸ジベカシンウフェナマートガーゼタンポン [DU-GT (1)] を試作し, その薬学的, 臨床的有効性について報告した。そして今回, より確実な鎮痛効果を得るためにウフェナマートを増量し, 軟膏基剤をプラスチベースに単一化したDU-GT (II) を作製した。そしてこれを鼻副鼻腔手術後に用いた場合の鎮痛効果について新たにその有用性を検討したので報告した。その結果新しいタンポン製剤は特に抜去時に優れた鎮痛効果を発揮することが証明された。さらに, 実験の結果タンポンに含有する硫酸ジベカシンの放出性もDU-GT (II) ではDU-GT (1) より良好になることが示唆された。しかし, タンポン挿入中の鎮痛効果を高めるには, タンポン素材に塗布する軟膏中のウフェナマートを高濃度に調製するなどの工夫が必要と思われた。

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