情報通信学会誌
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論文
スマートフォンゲームのオンラインマルチプレイは課金を促すか?
中村 彰宏
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2019 年 37 巻 1 号 p. 25-36

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抄録

本論文では、2018年4月に筆者が実施したWEBアンケート調査データを用いて、スマートフォンゲームにおけるオンラインマルチプレイが課金行動に与える影響を分析した。オンラインマルチプレイの相手として、リアル(現実世界)でも知っているプレイヤーと、リアルでは知らないプレイヤーとに分け、それぞれのマルチプレイ有無と課金有無の関係を実証的に考察した。分析の結果、リアルでは知らないプレイヤーとマルチプレイをするプレイヤーの方が、課金をしやすく、リアルで知っているプレイヤーとマルチプレイするプレイヤーの方が、課金しにくいことなどが明らかとなった。また、空き時間が少ないプレイヤーの方が課金をしやすい傾向なども示され、スマートフォンゲームのアイテム課金の目的の一つとして時短効果があることはしばしば言われるが、その点が実証的にも確かめられた。当該分析結果はタイプ別のマルチプレイを促進することでゲーム会社の収益が改善する可能性を示唆している。

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