繊維製品消費科学
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衣類の泡沫洗浄に関する研究
(第1報) ―空気流量が洗浄性におよぼす影響―
大矢 勝皆川 基
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1988 年 29 巻 6 号 p. 248-256

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抄録

泡沫洗浄は, 被洗物と洗液とを分離した気/液分散系の泡沫を媒体とした洗浄であり, 節水, 水質汚濁の防止, 衣類の損傷・劣化の軽減などを目的としている.本研究では洗浄槽容積 (1.9l, 12.3l, 24.7lおよび70.6l) ならびに消泡装置などの異なる4機種の泡沫洗浄装置を用い, 送気法による泡沫洗浄の空気流量が天然衿汚染布および人工複合汚染布の洗浄性におよぼす影響について検討した.泡沫洗浄において空気流量を増すと一般に泡沫生成速度は空気流量に対して比例関係を示して増し, 泡倍率 (泡沫生成速度/泡化液量) は700~1000を示すが, 起泡特性転移点以下の空気流量では泡沫生成速度が比例関係からはずれて大きく低下し, 泡倍率は著しく増大する.また空気流量を増すと一般に洗浄性が増し, 起泡特性転移以上の空気流量で最も高い洗浄性を示す.起泡特性転移点 (A) は洗浄性からみた適正空気流量であり, 洗浄槽容積 (V) との関係式A=0.87V+18.7で表される.

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© 社団法人 日本繊維製品消費科学会
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