1999 年 13 巻 5 号 p. 376-380
生後2カ月時にcongenital dyserythropoietic anemia亜型と診断された5歳女児に非血縁者間臍帯血幹細胞移植を施行した.TBI, cyclophosphamide, cyclosporinAの前処置後, 2locus mismatchの臍帯血を移植したが生着不全であった.自己造血回復を認めたため, dayl49に, ATG, cytarabine, cyclophosphamide, thiotepaを投与後, 別の2 locus mismatchの臍帯血を再移植したが今回も生着は得られなかった.このように強化した前処置を行ったにもかかわらず2回も生着不全をきたしたのは, 移植臍帯血の問題かホストの問題か明確ではないが, 生着不全は非悪性疾患におけるHLA不一致臍帯血移植の大きな問題であると考えられた.