小児歯科学雑誌
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半導体レーザーによる口蓋部の三次元計測
1 .乳歯列期の口蓋断面積,投影面積と容積の増齢的変化について
嘉藤 幹夫奥田 恵一柳 幸代柘植 昌代嘉藤 恵喜久山 晃司藤田 規正大東 道治
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2006 年 44 巻 5 号 p. 641-648

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抄録

3歳児,4歳児および5歳児の歯列模型を使用して,半導体レーザーにて三次元計測を行い,口蓋断面積,投影面積と容積の年齢別および男女別の変化を比較検討した結果,以下の所見を得た。
1.乳犬歯間口蓋断面積や第一乳臼歯間口蓋断面積は,上顎永久切歯が口蓋部から萌出するに伴い口蓋部の歯肉が膨隆するため,増齢とともに口蓋断面積が小さくなった。
2.第二乳臼歯間口蓋断面積や第二乳臼歯後縁間口蓋断面積は,上顎第一大臼歯が萌出するに伴い第二乳臼歯部の歯槽骨が成長するため,増齢とともに口蓋断面積が大きくなった。
3.前方部および後方部歯列内口蓋投影面積は,上顎骨の成長発育により口蓋部が側方方向へ拡大するため,増齢とともに口蓋投影面積が大きくなった。
4.前方部および後方部口蓋容積は,口蓋部が側方方向ならびに垂直方向に拡大するため,増齢とともに口蓋容積が大きくなった。
5.口蓋断面積,投影面積と容積は,男児の方が女児よりも大きな値を示したが,男児・女児間には有意の差は認められなかった。

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