小児歯科学雑誌
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小児の上顎前歯部過剰歯に関する研究
第1報 過剰歯842歯の臨床的観察
渡辺 英雄
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1985 年 23 巻 4 号 p. 1008-1025

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抄録

小児患者60,647名(男児31,233名,女児29,414名)のうち,682名(男児505名,女児177名)の上顎前歯部過剰歯について年齢別・性別過剰歯数,単・複過剰歯数,発育段階別過剰歯数ならびに萌出状態(方向・程度・位置)などを調査した。
その結果を要約すると以下の様である。
1)調査人数682名のうち男児505名(74.05%), 女児177名(25.95%) であり, 男児1に対して,女児0.35の割合であった。
2)単過剰歯は682名中522名(76.54%),複過剰歯は160名(23.46%)に発見され,単過剰歯1に対して複過剰歯0.31の割合であった。なお,調査歯数は,単過剰歯522歯,複過剰歯320歯,計842歯である。
3)歯列別の歯数は,混合歯列に最も多く842歯中502歯(59.62%)であった。次いで乳歯列の226歯(26.84%),永久歯列の4歯(0.48%)であった。
4)萌出方向は,順性が431歯(51.19%),逆性が305歯(36.22%),水平が64歯(7.60%)であり,順性が約半数を占めていた。
5)萌出の有無では,埋伏は548歯(全過剰歯中65.08%),萌出状態は253歯(30.05%)であり,約2/3が埋伏状態であった。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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