小児歯科学雑誌
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パピロンーレフェブル症候群の1例およびその文献的考察
高木 慎西嶋 克巳長畠 駿一郎高橋 利近貞森 平樹
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1985 年 23 巻 3 号 p. 720-732

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抄録

パピロンーレフェブル症候群は, 掌蹠の過角化症と乳歯あるいは永久歯における歯槽骨の高度の破壊を主症状とするまれな疾患である。
私達は乳歯列全体にきわめて高度の歯周疾患と掌蹠の角化症を合併したパピロンーレフェブル症候群の1例を経験し,7年11カ月にわたり経過観察することができたので,その概要を報告する。患者は2歳8カ月の女児で,乳歯の動揺および口臭を主訴に来院した。4歳時にはB-BD/B-Bが脱落しており,残存歯も動揺のため咀嚼障害があり抜歯し,義歯を装着した。6歳時6|6/61|6が萌出しはじめ,9歳時には652-256/653-356が萌出していたが10歳7カ月の現在61|6はすでに脱落し,本疾患特有の経過をたどっている。
さらに本症候群の本邦報告例34例について文献的に考察した。性別では男性:女性17:17で差はなく,平均年齢は10歳5カ月であった。血族結婚は17例にみられた。また合併症として爪の異常が7例にみられた。

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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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